【バリ島・アグン山の噴火】空港閉鎖の可能性も。海外旅行はキャンセルするべき?




かおり
フリーライター4年目、国内外でノマドワーカーとして生きている小林香織です

 

私は、2017年11月にバリ島・アグン山が噴火した際、現地(ウブド)にいた日本人の1人です。数日に渡って空港が閉鎖されたものの、帰国予定日の12月2日にはなんとか空港が再開し、帰国することができました。

ただし飛行機は大幅に遅れ、終始不安を抱えた旅路になりました。そこで今回は、この貴重な体験談を綴りたいと思います。

※サムネイル画像はイメージです。

バリ行きを決めたのは警戒レベルが【3】に下がったから

そもそも私がバリ島行きを決めたのは、それまで【4】だった警戒レベルが【3】に下がったから(2017年10月29日に3に引き下がられています)。火山性地震の頻度や規模が縮小している理由から、インドネシア火山地質災害対策局がレベルを引き下げました。

同時に立ち入り禁止区域も、火口から半径9~12キロ圏内から同6~7.5キロ圏内に縮小されました。

【参照】https://www.garudaholidays.jp/news_letter_171030.html

すでにバリへの航空チケットは手配済みであり、加えて「危険度が下がった」ワケなので、それならば!とバリ行きを決めました。

実際にバリに着いてみると、各国からのたくさんの観光客が押し寄せていて、噴火があるかもしれない深刻な状況には感じられませんでした。現地の人たちも普段どおりといった感じ。

アグン山付近への立ち入りは禁止されているけれど、それ以外のアクティビティは通常通りだし、観光していても生活していても、とくに不自由を感じることもありませんでした。

帰国日の1週間前にまさの噴火…!!

※イメージ画像です。

このままの感じなら問題ないだろうと思っていた矢先、突如アグン山が噴火…! 警戒レベルが引き下げられてからちょうど1ヶ月後の2017年11月25日のことでした。

飛び込んできた緊急ニュースの深刻さに、観光客も地元民も驚きを隠せず。警戒レベルが下がっていたはずなのに、どうして!? と思わずにいられませんでした。

そこから数回の噴火を経て、警戒レベルは再び【4】へ。11月27日からはデンパサール空港が閉鎖。復帰の目処は未定とのこと。まさかの展開に、ただオロオロするしかありませんでした…。

現地在住の日本人の方に「マスクをしたほうがいい」と言われ、外出する際はマスクをしていましたが、なんとなく灰が降っている感じがするかも? ぐらいの感じでした。実際はどこまで火山灰の影響があったかわかりませんが、ネガティブな気持ちが身体にも影響を与えていたように思います。

2日半経って空港が再開したものの不安は消えない…

※イメージ画像です。

11月27日に空港が閉鎖され、当初は11月30日午前7時までの閉鎖が見込まれていました。ですが、11月29日15:30に空港が再開、本数は少ないですが飛行機が飛び始めました。

これにはホッと一安心。ですが、「本当にトラブルは起こらないの?」「万が一、エンジントラブルが起きることもあるのでは…?」と疑心暗鬼に。

火山灰による過去のトラブル例をググりまくったり、落ち着かない日々が続きました。結果的に問題なく飛行機は飛んでいたし、直近の大きなトラブル事例も見当たらなかったので、「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせていました。

私が帰国するのは12月1日。空港は再開したけれど、飛行機が飛ぶかは怪しい状態でした。航空会社はエアアジアで、「変更の可能性がある」というニュースが出ているだけで、その後は情報更新がなく、「本当に帰れるのか」不安でいっぱい。

手配や確認が必要だったのは…
ホテルの延泊をどうするか
▶ホテルから空港までの移動手段をどうするか

の2つでした。

ホテルに空きがなければ探さないといけなし、私が滞在しているウブドのホテルからは移動手段として車の手配が必要です。ただ、何時の便かハッキリしなければ車が手配できません。

結局、フライト前夜になって、「出発時間の大幅変更」がメールで告げられました(深夜便→昼便への変更)。

そのメールを受け取って、すぐさまフロントに伝え、明日の早朝の送迎を手配してもらいました。これ、ゲストハウスやAirbnbのような24時間フロント受付がないホテルだったら、軽くパニックだったと思います。やっぱり何かあったときのことを考えると、安心感のある24時間フロント対応のホテルが最強ですね…!

変更後の定刻どおりにフライト。帰国の途へ

なんとか早朝の移動手段も手に入れ、翌朝は無事に空港にたどり着くことができました。なんとなく空港はざわついた雰囲気で、異国に出発するときはいつもワクワクしているのに、今日だけは恐怖を伴うドキドキ感が胸を占めていました。

「何事もなく無事に到着しますように…!」願いはその1つだけ。とにかく、それだけを思いながら搭乗を待っていました。

その後、定刻どおりに搭乗、フライトし、安全に東京までたどり着くことができました。

この経験を通して思ったのは、少しでも危険度が高い国へはよっぽどの理由がない限りは行かないのがベストだということ。もし行くなら覚悟を決めて行ったほうがいいです。

私は幸いなことに予定通りに帰ることができましたが、噴火して空港が閉鎖されれば、バリ島に留まらざるを得ない可能性は十分にありえます。

噴火してからの不安は計り知れないもので、もし帰れなかったら…と眠れない夜を過ごすことになりました。しかも私の場合は1人旅だったので、さらに不安がふくらんでしまった。

これからバリ島旅行を考えている方は、少し立ち止まって「本当にバリに今、行くべきか」を考えてみてください。「大丈夫だろう」と甘く見ていると、大変な目に遭うかもしれません。

※2019年5月24日にもアグン山は噴火。24日〜25日にかけて、バリ空港発着の航空便が一部欠航になったそうです。
【参照】https://www.cnn.co.jp/world/35137495.html




ABOUTこの記事をかいた人

【フリーライター/北欧イノベーション研究家】1981年、埼玉県生まれ。「自由なライフスタイル」に憧れて、2016年にOLからフリーライターへ。【イノベーション、キャリア、海外文化】などの記事を執筆。2020年に拠点を北欧に移し、デンマークに6ヵ月、フィンランド・ヘルシンキに約1年長期滞在。現地スタートアップやカンファレンスを多数取材しました。2022年3月より東京拠点に戻しつつ、北欧イノベーションの研究を継続しています。