【イベントレポ】〜アフリカで若者の才能とビジネスの種を花開かせるソーシャル・イノベーターの話&パフォーマンス〜




こんにちは! 恋する旅ライターかおりです。

日本からは心理的にも物理的にも遠いアフリカ。そんな日本とアフリカの距離を縮めたいとの想いから、2016年より毎月開催されているイベントが、「アフリカビジネスラボ」です。

第17回となる今回は、アーティスト兼ファッションデザイナーと多彩な鈴木掌(すずき つかさ)さんと、一般社団法人OSAジャパン会長であり建築家の坂田泉さんのお2人がゲスト。

会場ではアフリカンマーケットも開催され、カラフルなアフリカン・プリントを使ったアイテムなどが並びます。

鈴木さん・坂田さんのお話とともに、本イベントの目玉となったのが、アフリカ音楽・ダンスとコラボした鈴木掌さんのパフォーマンスです。なんと、この即興セッションはイベント開催の2日前に決まったそう!

こちらのイベントレポでは、鈴木さんのお話と即興セッションについて、お伝えします。年末にふさわしいスペシャルな内容となったアフリカビジネスラボにご注目ください!

ルワンダ人に自分の能力を「感電」させる

鈴木さんのアート作品

鈴木さんといえば、生命力を感じるような鮮やかな色使いのアート作品が特徴的。最近は壁にペイントしたり、コーヒーを使ったコーヒー画のワークショップをしたり、日本を舞台に精力的に活躍されています。過去には、ルワンダの農村や首都で洋裁技術を教える洋裁専門家として活動していた鈴木さん。

これらは、鈴木さんが教えた生徒たちがつくった洋服です。クオリティの高さは一目瞭然。アフリカ布が持つ独創的な柄にスマートにアプローチし、エレガントかつ柄の個性を活かした洋服に仕上がっています。

「僕は自分の能力を教えることを『感電させる』と表現しています。自分が持っている感性を相手に感電させて、彼らのなかに眠っている才能を引き出す。教え方はシンプルで、僕の手の動きを細部まで観察してもらうだけです」(鈴木さん)

アーティスト兼ファッションデザイナーの鈴木掌さん

さらには、ルワンダでド派手なバーも経営していたそう。

アフリカに眠るアーティストたちの才能を発掘するような場所にしたくて、とにかく派手で異空間な感じにつくり上げました。現地のミュージシャンとバンドを組んで、ステージで演奏して。僕はボーカルで歌をうたってました」(鈴木さん)

アフリカに「才能を開花させる場所」をつくりたい

ルワンダ、そして日本での活動を通じて、「これから成し遂げたいことが具体化した」と話す鈴木さん。

「僕が一番興味があるのが、『アート的な才能に恵まれた人たちが、その才能を活かしてどう生きていくのか』ということです。僕は今、絵の活動一本で食べていますが、そうやってアートの力だけで生きていくにはどうすればいいのかっていうことを自分自身で学びながら、アフリカでも実現したいと思っています」(鈴木さん)

鈴木さんのアート作品

そして、鈴木さんの最終的な夢は、アフリカの人々の才能を開花させるアート拠点をアフリカにつくること。

「僕は自身のアートブランドを『ATOMIC JUNGLE(アトミック ジャングル)』と名付けているんですが、『ATOMIC JUNGLE BOX』という名前の建物をつくって、そこにアーティストの卵たちを呼んで、それぞれがパフォーマンスをして、投げ銭でお金をもらえるような場所にしたくて。

いわゆるストリートパフォーマンスなんですが、実はルワンダはストリートパフォーマンスが全面禁止されていて、才能があっても芽吹くチャンスがないんです。だから、彼らの才能を発揮できる場所を合法的につくりたいなと。そんな場所があったら、まちがいなくすごい集客力になると思うんですよね」(鈴木さん)

鈴木さんのコーヒー画

今年の秋にはルワンダに行って、コーヒー画を広めるプロジェクトを予定しているそう。一流ミュージシャンとセッションして、即興でコーヒー画を書くパフォーマンスを各地で行っていくのだとか。

「ルワンダってコーヒーの産地ではあるものの、『苦くて飲めない』という理由で国民はコーヒーを飲まないんです。でも、コーヒーを飲むことがカッコいいっていうステータスになれば、みんなコーヒーを飲みますよね。コーヒーにアートやファッションを掛け合わせて、新しい文化をつくっていければなって」(鈴木さん)



鈴木掌×アフリカン音楽×ダンスの即興セッション(動画あり)

アフリカを舞台に壮大な願いを叶えようと奮闘する鈴木さんのお話は、とても刺激的でお客さんたちも惹きつけられているようでした。

では最後に、お待ちかねの鈴木さんのパフォーマンスについてレポートします! 安田尚樹さんによるアフリカン太鼓とAya Ikuno Shimamuraさんによるアフリカンダンスに合わせて、即興で絵を完成させます。

アフリカ一色に染まった会場で、鈴木さんはすごい速さで絵を描き上げていきます。アフリカン音楽とダンスに触れて、湧き出た感性のままに手を動かしているという感じ。アーティストだなぁと惚れ惚れします。鈴木さんの頭のなかには、すでに完成図が見えているのだろうか?

どんどん色彩豊かになり、完成に近づいていきます。見守っている観衆のみなさんも、完成を今か今かと待ちわびている様子。では、セッションの様子を動画でどうぞ。

音楽&ダンスチームも、佳境に差し掛かります。アフリカの文化を語るのに欠かせない音楽とダンス。かつてアフリカでは、ダンスをコミュニケーションツールとして意思疎通をしていたと言われているぐらい、ダンスは生活に根付いたものなんです。

そのダンスに欠かせないのが音楽。いわば、音楽とダンスはセットなんですよね。

そして、およそ30分かけて描き上げた鈴木さんの作品がこちら。今にも動き出しそうなほど躍動感のある、ライオンの絵が完成しました。アフリカのエネルギーが伝わる渾身の1作。インテリアに欲しい〜!!!

その後は、坂田さんと鈴木さんの対談、懇親会と続き、2017年最後のアフリカビジネスラボは幕を閉じました。今年も、アフリカビジネスラボ及びアフリカクエストを応援してくださったみなさまに感謝でいっぱいです。きっと、2018年も主催の横山さん&岸さんがみなさまの期待を超えるようなイベントを企画してくれることでしょう!!

「2018年はアフリカに行きたい!」と言ってみる

恋する旅ライターとキャッチコピーを掲げている私は、2017年、チェンマイ(タイ)・セブ島(フィリピン)・バリ島(インドネシア)の3カ国を訪れることができました。しかも、セブ島は6週間、バリ島は3週間と長期滞在できたため、いくつもの場所に足を運び、たくさんの人への取材も叶いました。

国内でも福岡県柳川市の移住体験を3週間行い、思いっきり観光&取材を楽しみました。旅先でこんなにも仕事を生み出せたこと、生き生きと活躍されている方々に出会えたことに感謝が尽きません。

ただ1つ、アフリカに行ってみたいという願いは叶えられませんでした。取材を通じて興味を持った「セネガル」か「ウガンダ」に行ってみたかったんです。

「2018年は、アフリカに行きたい!!」とりあえず、いろんなところで「行きたい」と話していると、ひょんなことから好機が舞い降りてくることって、あるんですよ。だから、アフリカを訪れる計画は今のところまったくありませんが、「行きたい」という気持ちだけは発信しておこうかなって(笑)

2017年は、アフリカクエストでライターデビューすることができて、とても幸せでした! 2018年も「アフリカクエスト」、そして「恋する旅ライターかおり」を、どうぞよろしくお願いいたします\(^o^)/

*鈴木 掌さんの公式サイトは、こちら




ABOUTこの記事をかいた人

1981年、埼玉県生まれ。2014年ライターデビュー。旅と仕事を両立できる働き方にトライしていて、2020年はデンマークに移住して、現地のフォルケホイスコーレに留学しながら仕事を続けています。【働き方/旅/IT】などの分野で、800以上の記事を執筆。 ブログや執筆記事の更新は、FacebookとTwitter、日常や旅写真は、Instagramにてお知らせしています♡