こんにちは! 旅と仕事を両立するライフスタイルを送っている「恋する旅ライターかおり」です。私は2017年11月、3週間に渡ってバリ島に滞在していました。そこで出会ったのが、ウブドでインドネシア人の旦那さまと暮らす日本人女性のRさん。
ご主人と結婚したことを機にインドネシアに移り住んだというRさんは、なんとバリ島生活13年!
サバサバしていて親しみやすい雰囲気を持つRさんに、バリでの暮らし、働く価値観、ワイルドな生活などなど、気になるトピックを根掘り葉掘り聞いちゃいました。現地にどっぷり浸かっている方のお話なんて、めったに聞けないですよ〜!
一人旅で出会い、遠距離恋愛を経て結婚へ

バリのいたるところで売られている絵画
かおり:Rさんが旦那さんと出会ったキッカケって、なんだったんですか?
Rさん:バリに2週間ぐらい一人旅に来たときに、ひょんなことから主人と出会って、お互い共通の趣味があって交際に発展したんだよね。
かおり:へ〜! 一人旅での出会いって案外多いんだなぁ。Rさんの前にインタビューさせてもらったウブド在住の日本人女性の方も、旅でのナンパがキッカケだったそうです。
Rさん:私は1年ぐらい遠距離してたかなぁ。バリの男性と結婚した日本人女性は、こっちではたくさんいるよ〜。私の夫はバリ生まれではないんだけど、バリ独特の文化や空気感が好きでバリに住んでいたの。
かおり:同じインドネシアでも、バリとそれ以外の場所では雰囲気がだいぶ違うと聞きました。私もバリの神秘的なところは大好きです。魅了される人たちの気持ちもわかる!
Rさん:私もバリが育んだ文化が好きだったので、結婚してこっちに移住して来たの。
異国で暮らす「現実」と向き合いつづけた13年間

かおり:移住後は、抵抗なく現地の暮らしに溶け込めたんですか?
Rさん:バリってここにしかない特別なものがたくさんある場所だから、そういった文化に触れられることはすごく良かったよ。ただ、毎日暮らすとなると簡単に乗り越えられないこともあったかな。
かおり:たとえば?
Rさん:私が移住してきた当時は、まだ生活環境も整っていなかったし、売られている食べ物の種類も少なくて、日本よりもずっと不便だったり。小さなことだけど、トイレの床が濡れているのが気になったりね。そんなことがストレスだったな。
あと住環境だけじゃなくて、仕事に対する価値観を受け入れるのも時間がかかったなぁ。結婚してからこっちで仕事をはじめたんだけど、こっちの人たちは「納期を守らない」ことが頻繁にあって……。
信頼を大事にする日本では、交わした約束はキッチリ守るのがスタンダードだけど、こっちでは必ずしもそうじゃない。納期を守るよりも、早く現金が手に入ることを優先したりする人もいるし。
かおり:バリに限らず海外では、そういったことがあると聞きます。日本人がマジメすぎるのかもしれないですけどね。
「ウソをつくのは人間だから」

Rさん:でもね、ずっとバリ人の価値観が理解できなくて苦しんでいたけど、13年経った今はバリが大好きになったよ。
かおり:すごいなぁ。どうして、そう思えるようになったんですか?
Rさん:バリの人たちって、すごく人間っぽいじゃない? 時々ウソをつかれることがあっても、腹の底から笑い合ったり、ケンカしたりできるから、人間同士の絆は生まれるし。
かおり:あ〜、日本人ってホントの本音って言わなかったりしますよね。
Rさん:日本人の細やかな配慮はステキだと思う。ただ、時に自分の欲望を優先することは必ずしも悪ではないのかなって。
かおり:はい、お互いに許し合える関係が築けたら、すごくいい気がします。でも、観光客の私からすると、バリの人たちはみんなフレンドリーで温かかったです。笑顔もかわいかったな。
ヘビ・オオトカゲ・ネズミ……ワイルドすぎるウブド生活

ウブドの有名観光スポット「モンキーフォレスト」の森林
かおり:私、今回の旅でバリが大好きになりました。でも唯一、虫や爬虫類とたくさん遭遇したことだけが苦い思い出で……(笑)。暮らしていると、その辺ってどうですか?
Rさん:うちには、ヤモリが100匹ぐらいいるよ。うちは川とか田んぼとか自然に囲まれているんだけど、近くにオオトカゲも住んでる。
かおり:ヒエッ! オオトカゲはまだ遭遇してないですね。
Rさん:こっちの人はオオトカゲも食べるんだよ(笑)。でも、オオトカゲってよく見ると案外かわいく見えたりするんだよね。
かおり:オオトカゲは人を襲わないとは聞きましたが……想像しただけでゾッとする〜!
Rさん:あと、時々部屋のなかにネズミがいたり、庭にヘビがいたり。ネズミやヘビとはできれば遭遇したくないから、頻繁に庭の木は手入れしてるよ。
かおり:ワイルドだ〜!! 自然の生き物と共存するのがウブドの暮らしなんですね。

バリ島から船で30分で到着する「レンボンガン島」
今回バリ島に3週間滞在したこと、そのなかで数人の日本人移住者の方にお話を伺ったことで、「海外移住のリアル」を肌で感じられた気がします。
生まれ育った国の空気や習慣が染み付いている私たちは、異国に身を置いたときに違和感があるのが当たり前。でも、時間をかけて向き合っていくと、感じ方は確実に変わっていくのだと思います。
10数年バリで過ごすなかで、バリが大好きになったというRさんのエピソードは重みがあり、お話を伺うことができて本当によかったです。私にとっても、新たな気づきになりました。