【月3万円でセブ島IT留学】ITシェアハウス「WORKROOM」でのリアルな体験談




かおり
フリーライター&WEBデザイナーとして活動している「書けるWEBデザイナー」小林香織です

 

私は独学で4ヶ月ほどWEB制作の勉強をしたのち、WEBデザイナーとしてフリーランスデビュー。業務委託でWEB制作の案件(ブログサイトの改修)を任せてもらうことができました。

4ヶ月間の独学期間のうち、3週間滞在していたのがフィリピン・セブ島にあるITシェアハウス「WORKROOM」。ここは何がすごいって、以下のトリプル特典があること!

・月3万円でドミトリールームに滞在できる(光熱費別)
・WEB制作について相談できるメンター付き
・オリジナル教材を無料配布

なるべく費用をかけずに勉強したいと思っていた私は、このシェアハウスへの滞在を決めました。今回はそのシェアハウスでの経験を100%本音で綴ってみようと思います。

渡航前に終わらせておくべき学習内容

セブ島への渡航にあたり、私は事前に以下の学習を独学で進めていました。結果的に現地で最速でWEBページを作るための土台になったため、事前学習を強くオススメします。

ProgateでHTML&CSSを3周
UdemyでPhotoshopの基本操作をマスター
Twitterでエンジニア・デザイナーをフォローして情報収集

Progateについては、3週やるとだいぶ飲み込めてきた感じがありました。時間がなければ、とりあえず1週でも良いかと思います。作りたいものがある人は、1周終わらせたら、すぐそちらに取り掛かるほうが成長は早いはず。

Udemyについては、「未経験からプロのWEBデザイナーになる!400レッスン以上の完全マスターコース」を購入し、頭から1/4ぐらいまで進めておきました。最後まで終えるには相当な時間を要するので、基礎のところだけでもいいと思います。あとは、必要なときに該当の動画を見ながら学習しましょう。

Twitterは、エンジニア・デザイナーとつながって情報収集するのに最適なツール。私はTwitterに苦手意識があって、しばらく離れていたんですが、WEB制作を勉強することにしてから新しくアカウントを作り、とにかくエンジニア・デザイナーをフォローしました。

独学の仕方、良い教材、仕事の姿勢、エンジニアに嫌われる行動(笑)、イベント情報など、とにかくTwitterから拾っていたら、だいぶ業界の感覚や独学・就職事情を把握できました。

立地は最高。部屋はやや潔癖でも住めた

事前学習を終えたら、満を持してセブへGo!

まず、WORKROOMの立地について。これは文句なしに最高だと思います。徒歩2分ほどでセブの有名ショッピングモールにたどり着けるため、食材、生活用品、化粧品、衣類等の買い物はもちろん、日々の食事にも困りません。

セブ島ではレストランで食事をしていると圧倒的な野菜不足になるという課題がありますが、キッチンがあるのでスーパーで野菜を買って自炊することもできます。私はインスタントラーメンと野菜を買って自炊し、野菜不足を解消していました。

モールの中にはスポーツジムもあるので、運動不足もここで解消しちゃいましょう。私は5,000円程度の10回券を購入して、サイクリングマシンで運動して体型維持&ストレス発散をしてました。設備はやや古いですが、1時間ほど筋トレするぐらいなら十分です。

気になるお部屋はというと、やや潔癖の私でもギリギリ住めるぐらいの住心地です。最近は、メンバーが交代でお小遣いをもらいながらお掃除をしているそうなので、以前よりはキレイな状態が保たれているはず。

部屋は男性・女性に分かれていますが、人数のバラつきによっては、男子部屋が男女共同部屋になることも。ただし、女子部屋を希望すれば配慮はしてもらえますのでご安心ください。

それぞれのメンバーの活動時間が異なる場合もあるため、眠りづらい日もありました。朝は誰かが早く起きると起こされてしまうとか。ドミトリールームなので、このあたりはやむを得ません。ただし、みんな配慮して静かに行動してくれるので万年睡眠不足という感じではなかったです。

耳栓やベッドルームの仕切りになるような大判の布を持っていくと重宝しますよ!

Wi-Fiはそこそこの速度アリ。リビングでも作業OK

ITシェアハウスということで、Wi-Fiはそこそこの速度があります。リビングにいくつかデスクがあるので、基本的にはそこで作業が可能です。ただ、フィリピンのインフラの問題で、時々つながらなくなったり、遅くなったりすることはありました。

そんなときはカフェに行って自分のスマホとテザリングさせて作業する、または高速Wi-Fiのあるコワーキングスペースに行って心地よく作業する、などの選択肢が取れます。モールにはカフェがたくさんあるので、どこかしらは座れるかなと思います。(ただし、土日は混むので要注意)

独自のWi-Fiを持っているカフェもありますが、モール内のカフェだとないところもあるので、Wi-Fiがほしいときは確認してからのほうが良いかもしれません。

フィリピンの何がいいって交通費が安いので、移動したいときはGrabを呼んで、200〜300円で移動できちゃうところ。コワーキングスペースへの移動も楽チンでした! 複数人で行けばさらに割安。

セブ島のコワーキングスペースについては、以下の記事にまとめました。個人的なイチオシは「The Company IT Park」です!

【2019年】セブ島ノマドワーク事情(物価・Wi-Fi・コワーキングスペース)



セブ島へのオプショナルツアーはこちら↑

メンターはガッツリ教えてくれるワケじゃない

私が感じた、このITシェアハウスの最大のメリットが「メンターが存在している」ということでした。メンターは基本的に1人(男性)です。メンターといっても、3万円のなかで対応できるギリギリの範囲まで。

公式HPではメンターが提供する内容について、以下のように書かれています。

・勉強プランおよびスケジュール随時提案
・進歩状況の確認およびチェック&フィードバック
・問題解決のヒント
・課題の提供

確かにこれについては、ほとんど提供してもらえたと思います。ただ、いくつか配慮したほうが良いと思われる点があったので、以下にまとめます。

進捗状況は自ら報告しよう

先述のとおり、メンターは1人しかいません。それに対してメンバーは多いときで8人ほどいます。全員の進捗をメンターが細かく確認するのはキャパ的に厳しそうだし、自分から報告しない人はメンターとの関わりが薄れる気がしました。

進捗確認も1週間に1回など頻度が決まっているワケじゃないので、毎日○時、2日に1回等、自分で頻度を決めて自ら報告するのが良いと思います。(もしくはメンターと相談)

私に関しては、ほぼ毎日メンターに相談をしていたので、たくさんアドバイスをもらえたし、吸収するスピードも早かったように思います。

一定時間調べても解決しないエラーは答えをもらうほうがいい

前提として、これは個人の見解であって、参考程度に聞いてください。

メンターが提供する内容の中には「問題解決のヒント」と書かれています。そう、直接の答えはくれないということです。確かにエラーなど問題が起きたとき、自分で解決する力を養うことは必要です。エラーの原因を追求することで身につくスキルもたくさんある。それは間違いない。

た・だ・し、私のようにまったくの無知からコーディングを始めた人にとっては、同じエラーを延々と調べ続けて1日何も進まないなんてことがあると気持ちがめいってしまう。自信喪失して落胆しちゃう。

よく初心者がプログラミングに挫折すると言われる要因は、「勉強方法がわからない」「勉強が継続できない」「エラーが解決できない」「周囲に聞ける人がいない」などがありますが、逆にこれらを克服できればデザイナーやエンジニアになれるのだと思います。

執念深くエラーの原因を追求できることがエンジニアやデザイナーの一番の素質であれば、最低限のヒントだけ提供してもらって、どうにか自分で解決するのが正しい方法なのでしょう。でも、独学を中心に4ヶ月続けた私の今の見解は「必ずしもそうではない」ということ。

たとえば、とあるIT企業では「30分調べてわからなければ先輩に聞く」というルールが採用されているそう。なぜなら聞いたほうが早いことも多いし、あまりにも進まないと自信喪失する&モチベーションが下がるから。

私が業務委託でお世話になっていたタイのWEB制作会社でも、同じことを言われました。一定時間調べて無理だったときは遠慮なくズバリの答えを聞いていました。

だからWORKROOMのメンターの内容は、私には100%マッチしていませんでした。ヒントをもらって自走してなんとかできればスキルが身につくのは理解できますが、その前に投げ出してしまう人が多い気がする。私の場合は時間がないことを理由に、ヒントではなく直接の答えを教えてもらいましたが、今後そういった要望に応えてもらえるかどうかはメンターに相談してみてください。

ちなみに、WORKROOMを卒業して2ヶ月ほど経った今、エラーの解決が徐々にできるようになってきています。コーディングは決して好きではないけど、なんとなく希望は見えてる。37歳でhtml/cssを始めた私が言うのだから、どうか安心して始めてほしいです(笑)。

コードレビューは別で依頼したほうがいい

私はこのシェアハウスにいる間に、なんとか2P分をデザイン・コーディングするところまで終えられたのですが、自分の書いたコードが最適なのか、あとから何か問題が起きないのかと問われたら、自信満々に「Yes」とは言えませんでした。

途中、エラーが起きてどうしても解決できないときだけ、該当部分のコードをメンターにチェックしてもらいましたが完成してからの最終的なコードレビューはしてもらっていません。日程が足りなかったこともありますが、基本的にはメンターが提供する内容には含まれていないと思います。3万円しか支払っていないので、これはやむを得ないですね。

制作したのは自分のWEBページなので、とくに問題は起きていませんが、これと同じことをクライアントさんのWEBサイトで再現していいのか。自信を持って「任せてください」と言えるのか。絶対に絶対に無理です。おそらく、大多数の人は独学3ヶ月程度の状態で、クライアントから受注して1人で完遂するのは無理だと思います。

それならプラスαの値段を払ってでも、丁寧にコードレビューをしてほしいなと思いました。たとえば、WORKROOMを終えたあとに、コードレビューをしてもらえるメンターを「MENTA」等のサービスで探すのはアリだと思います。

私はWORKROOMに滞在したあとタイに短期移住したので、タイのWEB制作会社でフォローをしてもらいながら業務委託という形で、格安で「CSS改修案件」を任せてもらう経験を積みました。

これは特殊な例ですが、やり方としてはアリかなと。実務の実績を積みながら学べるし、フォロー込みの値段設定にしてもらったので「相手に迷惑をかけたらどうしよう」と必要以上に気負わずに済みます。(ある程度、迷惑をかけるのはお互いに承知の上の仕事なので)

最低3ヶ月はいたほうがいい

これは、3週間という短い期間しか滞在しなかった私が感じた一番の課題でした。最初にメンターから「ちょっと短いかもしれない」と言われていたものの、セブ島にそこまで長期で住むのは難しいなと感じていたので3週間に決めたんです。

セブ島って空気悪いし、食事が美味しくないし、かわいい洋服もほとんど売ってないし、長居したい場所じゃないんですよね……。(これは人によるので、ハマる人はハマるし、合わない人は本当に合いません)

結果的に2P分のWEBページが形になったし、いろーんな知識を吸収できたし、たくさんの人に出会えたし、十分すぎるほど得たものはありました。まったくムダではないです。ただ、ちょっと中途半端だったなという気はしました。

セブ島での生活に慣れることができて、時間が取れるなら、3ヶ月は居座ってじっくりと課題と向き合ったほうがいい気がしました。progateを一通りやった状態でセブに来れば、3ヶ月の間にサイトの模写をしたり、クラウドソーシングで受注して納品するところまでできるかもしれません。

IT業界に足を踏み入れる「第一歩」としてはアリ

良いところも悪いところも、私が感じたままに綴ってきましたが、IT業界へ一歩を踏み出すために滞在するのは「大いにアリ」だと思います。

WEB制作を独学で習得したいけど、お金がない、時間がない、1人じゃ続かない。そんな課題を丸っと解決してくれる可能性のある場所です。みんな常夏のセブ島にいるのに海にも行かず、黙々と勉強や作業をしているので、「やらなきゃ」という気にさせてくれます。

ただ、ガッツリと教えてもらえるスクールとは違うので、その辺りは個人の向き・不向きがあると感じました。実際に1ヶ月滞在してみてもいいと思います。たった3万円(と光熱費)で住めますから!

進化するシェアハウスの今後に期待!

現在は、勉強した技術や体験談等をシェアする「AFTER DINNER」の取り組みを導入するなど、WORKROOMはどんどん進化しているようです。コミュニティとしても、つながりが深くなっているのかもしれません。

私自身、WORKROOMで学んだことを生かして、タイ・バンコクで案件を獲得し、現在は東京の友人からWEBページ制作のお仕事をいただきました。スモールスタートではありますが、独学中心でここまでこれたのはWORKROOMのおかげでもあると感じています。

まだまだ変化するであろうITシェアハウス「WORKROOM」。気になった方は、一度相談してみてくださいね。お問い合わせは、こちらから。エンジニア・デザイナーを目指すみなさん、一緒にがんばりましょうー!




1 個のコメント

  • WORK ROOMの悪い評価は?|月3万円と安いがすべて独学で学ぶ | IT未経験でもSEへ転職できる より:

    […] 参考:ITシェアハウス「WORKROOM」でのリアルな体験談 […]

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    【フリーライター/北欧イノベーション研究家】1981年、埼玉県生まれ。「自由なライフスタイル」に憧れて、2016年にOLからフリーライターへ。【イノベーション、キャリア、海外文化】などの記事を執筆。2020年に拠点を北欧に移し、デンマークに6ヵ月、フィンランド・ヘルシンキに約1年長期滞在。現地スタートアップやカンファレンスを多数取材しました。2022年3月より東京拠点に戻しつつ、北欧イノベーションの研究を継続しています。