【イベントレポ】恋するウガンダ〜アフリカンファッションと未来を変えるものづくり〜




こんにちは! 恋する旅ライターかおりです。フリーライターとして時々、国内外を旅しなが記事を書きつつ、ときどきライターの枠を飛び出して新たなチャレンジも試みています。

ウガンダ発のファッションブランド「RICCI EVERYDAY」との出会いをキッカケに、カラフルで独創的なアフリカン・プリントの大ファンになった私。もちろん、ブランドの看板商品である「アケロバック」も購入しました!

西武池袋本店でのポップアップストアにて(左:かおり 右:ブランドを創業した仲本千津さん)

今日はそんな私がコワーキングスペースco-ba shibuyaとコラボレーションして、初めてプロデュース&ファシリテーターを務めた、イベントのレポートをお届けします! 題して「恋するウガンダ〜アフリカンファッションと未来を変えるものづくり〜」

RICCI EVERYDAYを創業した仲本千津さんをゲストに迎え、2017年6月8日に「co-ba shibuya」にて行われたこのイベント。満員御礼の36名もの方にお越しいただきました〜!!(なかにはウガンダ出身の参加者も!)

初めての主催イベントということで終始ドキドキそわそわしていた私ですが、ステキすぎる参加者のみなさまのおかげで、忘れられない最高の時間になりました♡

「RICCI EVERYDAY」ってどんなブランド?

かおり:まずは千津さんとブランドの自己紹介からお願いします!

千津さん:私は1984年静岡県に生まれ、一橋大学院で「紛争後の平和構築」という分野の勉強をしていました。それから、邦銀の法人営業→国際農業NGO→RICCI EVERYDAYとキャリアチェンジを重ねています。

RICCI EVERYDAYを始めたのは、2014年からウガンダの首都カンパラに駐在することになって、そこで大胆な柄のアフリカンプリントと1人のシングルマザーに出会ったからです。まともな教育を受けていないシングルマザーたちは、満足な仕事を得ることが難しい。なかには子供たちの生活を守るために、自らの体を売って日銭を稼ぐような女性もいるような状況でした。

そこで、カラフルでプレイフルなアフリカ布を使用したバッグやトラベルグッズを企画・製造・販売するファッションブランド「RICCI EVERYDAY」を日本に暮らす母と共に立ち上げることにしたんです。いろいろな紆余曲折はありましたが、2015年に日本法人、2016年に現地法人とカンパラ市に直営店舗をオープンさせることができました。

アフリカンプリントのドレスがお似合いの千津さん

かおり:RICCI EVERYDAYの「アケロバック」、めちゃくちゃかわいいですよね〜〜!! このバッグを持っていると、必ず「かわいい」と褒めてもらえます。持っているだけで心がウキウキします♪

千津さん:嬉しいです!! このバッグはウガンダのシングルマザーたちが、心を込めて手づくりしているんです。立ち上げ当初は3人だけだった従業員も、今は11名まで増えました。RICCI EVERYDAYの特徴としては、以下の5点が挙げられます。

  1. 70種類以上のバリエーションのアフリカン・プリントをご用意
  2. デザインのみならず機能性も重視した製品
  3. 日本人のテイストに合った柄を独自にセレクト
  4. ウガンダに直営工房を持ち、一つ一つハンドメイドで製作
  5. ウガンダのシングルマザーの生活向上に貢献

かおり:RICCI EVERYDAYはテレビや新聞、WEBメディアなど、あらゆる媒体に取り上げられファンが急増中ですが、どのように事業を拡大してきたのでしょう?

千津さん:展示会に出展したり、全国各地でポップアップストアをオープンしたり、一つ一つ実績を積み重ねていきました。2017年以降はPRにも注力するなかで、テレビ東京のドキュメンタリー番組「未来世紀ジパング ~沸騰現場の経済学~」の出演など、大きなチャンスをいただくこともできました。



「アフリカの真珠」と呼ばれるウガンダの魅力

ナイル川に空が映る幻想的な風景

かおり:正直、RICCI EVERYDAYに出会うまでウガンダの印象って、とくになかったんですよね。

千津さん:ウガンダって治安が良くて緑も多いし、のどかで暮らしやすい国なんですが、インパクトには欠けるんですよね(笑)

かおり:治安がいいというのは意外でした。やっぱり「アフリカ=危険」というイメージが、どうしても浮かんでしまって……。

千津さん:周囲のケニアやタンザニアに比べると、ウガンダは身の危険が少ないと思います。スリとか最低限の犯罪対策をしておけば、楽しいウガンダライフが送れるかなって。

トヨタのハイエースが並ぶバスの発着所

かおり:なんか女性の1人旅でも行けそうですね。千津さんが感じるウガンダの魅力をお聞きしたいです!

千津さん:まずは気候ですね。「初夏の軽井沢」みたいな気候が1年中ずっと続きます。気温も25〜30度ぐらい。食事も豊かでおいしいですよ。甘くないバナナをマッシュした「マトケ」とか、トウモロコシの粉をお湯で湯がいてお餅みたいにした「ポショ」とか。あ、パイナップルは世界一おいしいと思ってます(笑)。甘くてジューシー。

あとは、日常の風景はどこを切り取っても絵になる。タクシーパークとか、天井まで高く積み上げられた布屋さんとか、ナイル川の源流とか。ウガンダの人たちの人柄も好きですね。明るくてエネルギッシュでオープンマインドなところ。

RICCI EVERYDAYの「ものづくり」の工夫

ウガンダの布店。天井まで積み上がった布の種類の多さに圧倒される

かおり:RICCI EVERYDAYならではの、ものづくりにおける工夫を教えてください。

千津さん:バッグ製作は分業体制にしていて、主に革を手縫いする人とミシンでバッグを成形する人のグループに分かれています。バッグ製作は現状8名で行っていて、1日5〜10個を製作できる体制です。

RICCI EVERYDAYでは、「持続可能なものづくり」を目指していて、布の端切れを裏地として活用するほか、取っ手部分の牛革は食用の牛から出た副産物を利用しています。ウガンダには「ものを余すことなく使う文化」が根付いているんですよ。私たちもその文化に則っています。

かおり:ムダを出さない文化、すごく素敵だと思います。このアケロバックは縫製がしっかりしていて、手縫いの箇所も真っ直ぐですよね。クオリティーを保つために心がけていることはなんですか?

千津さん:一つはモチベーションが高く、技術力のある優秀なテーラーを雇うこと。もう一つは、日本製の高品質な製品を見てもらって、目指すべき品質を現地の従業員たちに理解してもらうことですね。やっぱりウガンダでつくられている製品って、全体的にクオリティーが低いんですよ。そのまま、日本人向けに販売するのは到底無理ですね。

かおり:現地の従業員さんには、どのくらいのお給料を支払われているんですか?

千津さん:ウガンダの縫製産業の賃金相場の2倍は支払っています。それでも、現地で三食食べ、家賃を支払い、子供を学校に行かせながら暮らしていけるギリギリの額ではあるんですが……。彼女たちのモチベーションが維持できるように、毎年人事考課をしていて、貢献度によって報酬を引き上げています。

skype中継でウガンダと日本をつなげる!

かおり:今日はウガンダで働く従業員のみなさまにも生出演していただきます!!

(日本とウガンダの時差は6時間で、現地はちょうど昼過ぎ。ちょっと恥ずかしそうに画面に現れるウガンダのみなさんを、千津さんが一人一人紹介してくれました)

会場のみなさん:わ〜〜〜〜〜〜!!!

かおり:ここからはQ&Aタイムです。会場からの質問に現地で働くみなさんが答えてくれます。

ーーRICCI EVERYDAYの仕事をしてから、生活はどう変わりましたか?

家賃が支払えるようになり、子供たちを学校に通わせることもできるようになりました。

ーー何をしているときが一番楽しいですか?

子供たちと一緒にご飯を食べたり、自宅でゆっくり過ごしているときです。

ーー小さなお子さんがいる方は、ワークライフバランスはどうされていますか?

日中は子供をベビーシッターに預けて働き、仕事が終わったら私が子供の面倒を見ています。9時〜17時が勤務時間です。

千津さん:ウガンダでは、親戚とかいとことか身近な人にお小遣いを渡して、ベビーシッターとして雇うことが多いんですよね。

どれもかわいい!アフリカンプリントの4つの種類

かおり:今回のイベントにあたり、アフリカンファッションのことを調べてみたんですが、アフリカの布って4種類あるんですね。

千津さん:そうなんです。それぞれの布の写真を見てもらうとわかりやすと思います。

<カンガ>

東アフリカで広く使われている一枚布のことを「カンガ」と呼びます。 それぞれの布には花とか植物の模様に加えて、スワヒリ語のメッセージ『jina(ジナ)』がひとつプリントされているんですが、その内容がおもしろいんですよ。「銀行屋は信じるな」とか(笑)。田舎のお婆ちゃんの知恵袋みたいな感じですね。

<キテンゲ

キテンゲは自然や景色などのモチーフを使った、独特の明るい色使いが特徴の、ろうけつ染め綿100%プリント布(WAX PRINT)です。ウガンダではチテンジ、西アフリカではパーニュとも呼ばれます。女性のワンピースや男性のシャツなどの洋服によく使われますね。RICCI EVERYDAYの製品は、主にこのキテンゲを使用しています。

<マサイシュカ>

マサイ族が使用していることで知られるのが、鮮やかな色を用いたチェック柄のマサイシュカ。広いサバンナでも目印になるから、赤が貴重のデザインなんだとか。2012年にはルイ・ヴィトンのメンズコレクションにもマサイシュカが使用されました。

<キコイ>

肌触りの良い100%コットンの布で、パステルカラーとストライプの模様が特徴です。ケニアの漁師が腰巻として身につけていたことで知られているそうですが、今は女性も巻いていますね。

かおり:どれもかわいいけど、やっぱり私はキテンゲが好きですね。日本にはない大胆な柄や色使いがすごくいい!!

千津さん:ですよね! ぜひRICCI EVERYDAYのアイテムで、みなさまのワードローブをプレイフルに変身させてください♡

ウガンダ料理を囲んで、おしゃべりがはずむ!

今回のイベントでは、ウガンダ料理のケータリングも提供しました。用意してくれたのは、東新宿の実験的コミュニティスペース&自然派カフェ「 みせるま Mise LMA」のディレクターを務めるearthommunity オオヤマタカコさん!

メニューは以下のとおり。

  1. Sweet banana posho(バナナ入りデザートポショ)
  2. Classic Katogo(ポテトと豆のトマト煮)
  3. Sautéed Maize(コーンのスパイス炒め)
  4. Spiced pickles(スパイスピクルス)
  5. Veggie samosas(ベジサモサ)
  6. Quinua salad(キヌアサラダ)

どれも本格的なメニューで、参加者のみなさんも興味津々で食べていました。今までに食べたことがない味付けもあり、なんだか本当にウガンダにショートトリップしたかのようでした。みせるまのタカコさん、ありがとうございます〜!!

co-ba shibuyaの居心地の良さもあり、終電ギリギリまで続いた交流time。参加者のみなさんの笑顔をたくさん見ることができて、主催者一同とっても幸せでした。私自身、ますますウガンダとアフリカンファッションが好きになりました!

左からケータリング担当のたかこさん、co-ba shibuyaのコミュニティマネージャーめぐみさん、千津さん、かおり

千津さんはウガンダと日本を行ったり来たりされていて、今はウガンダにいるそうです。また日本に帰国されたタイミングで、イベントをご一緒できたらいいなぁ♡

RICCI EVERYDAYのSHOP情報はこちらから。

*こちらの記事は、「Africa Quest.com」に転載していただいています。




ABOUTこの記事をかいた人

1981年、埼玉県生まれ。2014年ライターデビュー。旅と仕事を両立できる働き方にトライしていて、2020年はデンマークに移住して、現地のフォルケホイスコーレに留学しながら仕事を続けています。【働き方/旅/IT】などの分野で、800以上の記事を執筆。 ブログや執筆記事の更新は、FacebookとTwitter、日常や旅写真は、Instagramにてお知らせしています♡