フリーライター・ものづくり・ヴィラ運営・主婦。バリ島・ウブドで暮らす平理以子さんのワークスタイル




こんにちは〜! 思わず洋服や雑貨を衝動買いしてしまうほど、ハイセンスなショップが多いウブド。

そんなおしゃれタウン・ウブドで、ご家族と8人暮らしをされている日本人女性・平理以子さん。平さんはお2人のお子さんを持つ主婦であり、フリーライターであり、ものづくりを手がけるプランナーであり、さらに旦那さまと一緒に宿泊施設「De’dalam」まで運営されています。(今回、私は平さんが運営するヴィラに宿泊しました)

独り身・自由人ライターの私から見ると、平さんはスーパーウーマン! そこで平さんにお願いして、バリでのワークスタイルについてお聞きしました。バリの人々の働く価値観についても教えてもらったよ。バリを訪れたからこそ実現した興味深いインタビューです!

※平さんの旦那さまとの出会いやバリでの暮らしについて伺った前編も、よろしければご覧ください♡

バリに移住して未経験で始めた「フリーライター」の仕事

バリ島のカフェはほとんどWi-Fiがあって、ノマドにやさしい

かおり:私が平さんを知ることができたのは、「バリ島」「フリーランス」でググって平さんの記事を見つけたからなんですよ。

平さん:なるほど。フリーライターつながりで宿に宿泊してくれたのは、小林さんが初めてですよ!

かおり:光栄です〜! 平さんはどうして、フリーライターを始められたんですか?

平さん:2010年に家族で本格的にバリ島に移住してきたとき、私たち夫婦には何も仕事がなかったんです。そこで、日本のクライアントからネット経由で請けられる仕事を探していて、ライターに行き着いたんです。当時はまだWEBメディアが出始めの頃で、1記事100円の単価からスタートしました。

かおり:未経験で始められたってことですか?

平さん:そうそう。他にもネット経由の仕事はあったけど、継続的に発生する案件がよかったからライターが好都合だったんです。過去の仕事でカスタマーレターを書いたことがあったので、とりあえず応募してみようかなって。実際、100円で発注されている記事なので問題なく書けました。質より量重視みたいな。

かおり:私は1本2,000円の記事からスタートして、取材仕事の実績をつくって単価を上げていったんですが、平さんの場合はどうでした?

平さん:低単価の記事を200本とか書いて、「たくさん書ける」ということを売りにして、少しずつ幅を広げて。そのなかでクレジットが載る記事も書けるようになって、ちょっとずつ報酬が上がっていった感じかなぁ。

かおり:平さんはどんなことを書くんですか? バリのライフスタイルとか?

平さん:いや、バリライフはぜんっぜん書かないですね。バリの観光スポット記事は需要があっても、バリのライフスタイルに興味がある人って、それほどいないでしょ? 女性の生き方とか恋愛とかが多いかな。取材なしで自分の経験とかリサーチで書くものがほとんどです。

バリの観光スポットを取材して書くこともできるけど、満足できる報酬をいただける旅媒体ってあんまりないですよね。

ウブドの大人気観光スポット「モンキーフォレスト」で見つけた親子猿

かおり:あ、確かに。旅媒体って得てして低単価ですよね。取材して5,000円みたいな。自分の趣味として行って、ついでに撮影して書くぐらいじゃないと全然割に合わない。もう私は旅媒体に寄稿するより、ブログに書いて資産にしようと思ってます。今はどれぐらい書いてるんですか?

平さん:あんまり月に何本とかカチっとは決めていないんです。余裕があるときは増やすけど、忙しいときはほとんど書かないこともあったり。バリに住んでいると宗教行事が多くて、しかも前日に連絡がくるんですよ。だから、フレキシブルなスケジュールで働ける媒体さんとだけお付き合いさせてもらっています。



バリでつくって日本で販売。オリジナルスタイルの「ものづくり」

かおり:ものづくりでは、どんなお仕事をされているんですか?

平さん:今私が着ている洋服とかバッグとかをつくっています。私は企画とデザインを担当して、制作は現地人のテーラーに依頼していますね。

かおり:へ〜! かわいいですね! ウブドってホントにセンスのいいブランドが多くて、こっちで洋服とかバッグとか買っちゃいました。緑とか海とか自然が豊かで暖かいので、東京にいるときには着ないような開放的な洋服が着たくなるんですよね〜。

平さん:そうでしょうね〜。こっちでヒールを履いている人なんて、ほとんどいないし。私はトレンドとかはくわしくないので、自分が良いなと思った布とか素材を使って、バリらしいリラックス感のあるアイテムをつくっています。

かおり:これらはどちらで販売しているんですか? 通販?

平さん:実は毎年6〜8月の間だけ日本に帰って、イベントとか催しの際にテントを建てて売らせてもらっているんです。あとは企業の職員さん販売とか、ママ友会に呼んでいただいて販売したこともあります。通販もやりたいけど、まだできてないですね。ものづくりのスタイルとしてはめずらしいですよね。

かおり:そうなんですね〜! 私もバリのおしゃれアイテムに触れて、なんだかものづくりがしたくなってきちゃったなぁ♪

友人と共同出資でオープンしたヴィラタイプの宿泊施設

平さんが運営する宿泊施設「De’dalam」の一室

かおり:さらに、平さんはヴィラ「De’dalam」の運営もされているんですよね? いくつ身体があっても足りなそう(笑)。

平さん:ヴィラは主人がほとんど切り盛りしてくれていて、私は経理と日本人のお客様のメール対応ぐらいなので、大したことないんですよ。

かおり:ここは2013年とわりと最近オープンされたそうですが、キッカケはなんだったんですか?

平さん:友人から「バリでホテルをやりたい」という要望を受けて、友人と共同出資でオープンしたんですよ。彼女がいなかったら、宿泊施設をつくろうなんて思わなかったでしょうね。うちのお客様はオージー(オーストラリア人)が多くて、日本人の方はあんまりいないんです。

小林さんも言ってたけど、オープンタイプのヴィラだとちょっと安心できないという人もいて。でも、私たちとしてはこの”ウブドらしい開放感”を存分に満喫してほしいなと思っていて。

大きな窓から明るい光が差し込む「De’dalam」のお部屋

かおり:うんうん、天井が高くて藁葺き屋根っていうのが、南国の雰囲気に浸れていいですよね〜! 私は1人だったのでちょっと心細かったのですが、友人、彼氏、家族など誰かと一緒だったら、すごく気持ちよく過ごせると思います。

ウブドを観光するには、すごく便利な立地でした! モンキーフォレストやおしゃれなカフェや雑貨屋など、行きたいところはすべて歩いて回れました。

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「否定しない」「嫌いなことをしない」バリ人の好きなところ

レストランで出会った陽気でフレンドリーなバリ人の店員さん

かおり:バリの人たちって、すごくフレンドリーで接客も丁寧ですよね。今回の旅で、バリの人たちがすごく好きになりました。

平さん:そうそう、私もバリで一番好きなのは「人の良さ」なんです。宗教的な価値観なのかもしれませんが、あまり否定しないし受け入れる度量があるというか。

かおり:うんうん、すごく観光客にやさしくてウェルカムな姿勢を感じます。

平さん:あと、バリ人って“嫌いなことをしない”んですよ。それって、すごいことだと思いません? だから仕事も合わないと思ったら、躊躇せず即やめる。全然無理をしないんです。夢を見つけるってことももちろん大事だけど、嫌いなことをやめるだけですごく荷が軽くなるというか、楽しんで生きられると思うんですよね。

ウブドの集会所で伝統的なバリ舞踊を練習する女の子たち

かおり:すごくステキ〜!! 私はもともとワガママなタイプで転職をめっちゃ重ねてきたんですが、フリーランスになって、もっと好きなことだけに集中できるようになりました。今回の3週間のバリ滞在もまさにそう。

やりたいことを叶えるためにやらなきゃいけないこともあるかもしれないけど、私もなるべく嫌いなことは手放していいと思ってます。でも、1つ疑問なんですが、毎日60カ所もお供え物を供えるのは、バリの人たちにとって嫌なことではないんでしょうか?(笑)

平さん:たぶん、やらないほうが気持ち悪いんでしょうね。もう生活の一部みたいな。

かおり:なるほど〜! 宗教ってそういういものなのかもしれないですね。すっごく勉強になりました!

※平さんのバリでのライフスタイルについてもお聞きしています。よかったら、こちらの記事もご覧ください。




ABOUTこの記事をかいた人

【フリーライター/北欧イノベーション研究家】1981年、埼玉県生まれ。「自由なライフスタイル」に憧れて、2016年にOLからフリーライターへ。【イノベーション、キャリア、海外文化】などの記事を執筆。2020年に拠点を北欧に移し、デンマークに6ヵ月、フィンランド・ヘルシンキに約1年長期滞在。現地スタートアップやカンファレンスを多数取材しました。2022年3月より東京拠点に戻しつつ、北欧イノベーションの研究を継続しています。