2カ月間の放浪生活を経て身にしみた「帰る家がある」という幸せ




かおり
ノマドワーカー3年目に突入した「恋する旅ライターかおり」です

 

2017年はトータル90日間の旅をしていた私。9/末〜12/2まではフィリピンのセブ島とインドネシアのバリ島にいました。

セブ島→語学留学(6週間)、バリ島→プチ移住(3週間)が目的。その間、独り暮らしをしていた日本の家は引き払い、残った荷物は一時的に日本のレンタルスペース(倉庫みたいなもの)に保管しました。

家がない(家賃を払わなくていい)=海外を自由に飛び回れる!!

2015年に訪れたイタリアにて

正直自由に旅をするのに固定の家はジャマだと思っていたので、やっと手放せたという感じ。セブに出発する前、私の心は好奇心で満たされ遠足の前日の小学生みたいにワクワクが止まらなかった♪(笑)。

日本に「会えないと寂しくて死んじゃう!」みたいな人もいなかったし。愛しい甥っ子ちゃんや家族に会えないツラさぐらい。

ところが、およそ2カ月間に渡る「家なし放浪生活」を送った結果、まったく予想していなかった感情が湧き上がってきたんです。今日はそんなお話を書かせてください。

セブ島の滞在中に一番キツかったこと

セブ島留学では、セブで2番めに歴史のある「3D ACADEMY」という学校に通っていました。ありがたいことにライターの芸を活かした「一芸留学」で、WEBで留学レポートを書く代わりに、学費と滞在費を無料にしてもらえたんです。

しかも滞在先はセブの三ツ星ホテルの1人部屋! 広々ベッドにデスク、収納スペースも十分ある。しかも週2でお掃除&洗濯もしてもらえる♡

ただし、シャワーはお湯と水が交互に出る、アリが毎日湧く(十数匹)というデメリットもありました。温かいシャワーを浴びられないのは残念だったけど、具合が悪くなるほどの強烈なストレスではなかったんです。

し・か・し、セブでの生活でどうしても許せないことが1つありました。

「騒音」です。

実は私が滞在していたホテルの真向かいでは、新しいビルの建設工事の真っ最中。日中うるさいのはそりゃ仕方ないよね。でも学校で勉強してる時間だし、まぁいっか。最初はそう思ってました。

でも、0時近くになってもゴー! ガガガー! という音は鳴り止まない。「あれ? おかしいな〜。でもさすがに0時以降はストップするよね」と思っていたら……

1時→まだまだ工事真っ盛り

2時→あれ? 余計にうるさくなったような?

3時→これ朝までやるつもり!? 頭おかしいんじゃないの!?!?

もうどうしようもないので、イヤフォンを差してヒーリング系の音楽を聞き無理やり眠りにつきました。こんなのがほぼ毎日続くんですよ!? 耐えられないでしょ!

セブ島生活はものすごく刺激的で、ビーチはキラキラだし、ビールは1杯120円だし、学校の先生たちもキュートだし楽しかったけれど、具合が悪くなるほどの騒音と街の空気の悪さ(排気ガス)がしんどくて、6週間が経過する頃には、早くバリに移りたいと心底思っていました。



バリ島で感じた「リゾート」と「現実」のギャップ

ウキウキしてバリ島へ足を踏み入れた私。セブよりも観光地として洗練されていて、バリらしさ満点といった雰囲気。

ここならオシャレなカフェもたーくさんあるはずだし、プール付きの優雅なホテルも多いし、センスの良い雑貨なんかもありそうだし、たっぷりの自然に独特の文化などなど、見どころがありすぎる!

バリ島のカフェはほとんどWi-Fiがあって、ノマドにやさしい

実際、毎日おしゃれなカフェで仕事をして、時々お買い物をして、ホテルのプールでゆったりして……と、最初は快適な生活を送っていました。バリなら住めるかも〜なんて思ったりして。

がしかし

そんな妄想はいつくかの体験&インタビューでもろとも崩れ去りました……

①あらゆるところに「G」が出る! 1日数匹見るぐらいの覚悟が必要
「え? そんなの日本でも出るじゃん」と数人に突っ込まれましたが、日本とは比じゃない多さ。夜、街を歩いているとそこかしこにいるし、1泊1,300円の安宿に泊まったときは2泊3日で4匹あらわれました。自然が多い場所に住んでいると、これが当たり前みたい。これは私にはどうしても無理でした。この状況を回避する有能なグッズもあまりなさそう。

②カエル・ヘビ・オオトカゲ・ネズミに遭遇する
私は、カエルとヤモリにしか遭遇していませんが、ウブドのような自然が豊かな地域だと、ヘビ・オオトカゲ・ネズミなども出るそうです。現地在住の日本人の方に聞きました。フィリピンのホテルで出たアリなんて、かわいいもんです。

Wikipediaより

オオトカゲってこんなんですよ!? 大きいものだと体長1mぐらいあるらしい。人を襲うことはほとんどないようですが、いやいや無理でしょ。バリの人たちはこのオオトカゲを食べるんだとか。

ウブドの有名観光スポット「モンキーフォレスト」の森林

バリのやや高級なホテルには、さすがにGやヘビ、オオトカゲなんかは出ませんでしたが、ヤモリはどこにでもいました。部屋にはいなかったけど外に面したレストランの壁や天井を歩いているような感じです。

とはいえ、虫や爬虫類が嫌いでも現地に住めば慣れるみたいですよ!

非日常の世界はとびきり美しい。でも……

これまでヨーロッパやアメリカ、韓国などの海外旅行の経験はあったものの、ここまで長期間にわたって外国に滞在したのは初めての経験。

まだ知らない世界、非日常の世界は美しい瞬間の連続ではあるものの、時間が経過するにつれて、「慣れ親しんだ場所・人・もの・こと」との違いが浮き彫りになり、苦しくなる自分がいました。

しかも、私には「ただいま」と帰れる家がない。居場所がないことにだんだんと寂しさが募り、バリに滞在して2週間が経過した頃には気持ちが落ち込んでしまっていました。日本には家族はいても私が住める実家は、すでになかったし。

やっぱり拠点を持ちたい。

それが約2カ月、家を手放し海外を旅した私に湧いた一番の感情でした。あんなに家を手放したかったはずなのに、不思議なものです。母国・日本に、家族に、友達に、仕事でお世話になっている方々に感謝の気持ちも湧きました。

そして今は都内のシェアハウスにいます。初めて暮らしてみたんですが、人によってこんなに感覚って違うものなんですね〜。日本にいるのにプチ海外生活のようw これもまた、いい経験になればと思っています。ではっ!!




ABOUTこの記事をかいた人

【フリーライター/北欧イノベーション研究家】1981年、埼玉県生まれ。「自由なライフスタイル」に憧れて、2016年にOLからフリーライターへ。【イノベーション、キャリア、海外文化】などの記事を執筆。2020年に拠点を北欧に移し、デンマークに6ヵ月、フィンランド・ヘルシンキに約1年長期滞在。現地スタートアップやカンファレンスを多数取材しました。2022年3月より東京拠点に戻しつつ、北欧イノベーションの研究を継続しています。