旅ライターとして、「旅」と「仕事」を両立させるライフスタイルを送っている、恋する旅ライターかおりです。
今日は、先日参加した株式会社ぐるなびが主催する「おいしいアカデミー 世界の料理とワインコース」第1回の模様をレポート! 全般的にお酒は好きなのですが、とくにワインの奥深い世界には惹かれていたため、こちらの講座を受講することに。
記念すべき初回のテーマは「イタリア料理とイタリアワインのペアリング」(本来はワインの基礎知識を学ぶ予定でしたが、台風のために延期になりました)。
結果的に「人生一おいしいワイン」に出会うことに♡ お料理も忘れられない味でした。さらに、ペアリングによってワインの味が大きく変わることも実感。学んだペアリングについて、くわしくレポします。
開催地は、老舗のイタリアンレストラン「アクアパッツァ」

第1回目の開催地は、1990年創業の老舗レストラン「アクアパッツァ」。同店の日髙良実シェフは、本場イタリアのレストラン「エノテカ・ピンキオーリ」「グアルティエロ・マルケージ」「ダル・ペスカトーレ」等、計14軒で修行を積んだ人物です。

こちらが、最高のおもてなし料理を提供してくれた日髙シェフ。国産食材にこだわり、シェフ自らが生産者の元に足を運んで確かめているそう。

恥ずかしながら私はこのレストランを知らなかったのですが、周囲の参加者たちはみな知っていたようで「来てみたかったから嬉しい!」と話していました。
今回は団体用の個室を使わせていただきましたが、奥には広々としたスペースが広がっていました。落ち着きはありつつも高級すぎない雰囲気なので、どんなシーンでも利用できそうな素敵なレストランです。
講師はイタリアの食とワインの第一人者「林 茂さん」

本日の講師は、1995年に日本人で初めてイタリアでソムリエの資格を取得された林 茂さん。この資格は当然、イタリア語。一からイタリア語を習得されたとお話されていました。
さらには、日伊の食文化交流に貢献した功績でカテリーナ・ディ・メディチ賞なども受賞されているとか。す、すごい……!
イタリア料理やワインに関する著書も多数。「ワインについて勉強したいと思ったけど、本がなかったので、自分で書きました」とサラッとおっしゃっていましたが、いやいやいや(笑)。
36年間に渡ってイタリアの食文化に携わり、イタリアワインと食を極めているような方です。
生産量・輸出量ともに世界一のイタリアワイン

まずは、林先生によるイタリアワイン講座からスタート。生産量・輸出量ともに世界一だという、イタリアワインの特徴を教えてもらいました。
1、地理的考察
イタリアは南北に長い半島で、海に面し、山があることから各地で気候や土壌が異なり、多様なワインがつくられています。
2、歴史
イタリアでは古くはエトルリアの時代からワインづくりが盛んに行われており、またギリシャやイタリア周辺の国々から多くの品種が伝わったことから、各地で数多くの品種が栽培されており、つくられるワインも多種に渡っています。
3、総評
このようなことからイタリアでは、ワインの数が多くわかりにくいとされていますが、逆にこの多種多様なワインがイタリアワインの魅力とも言えます。

今回、ペアリングで登場する5種類のワインは、すべて創立550週年を迎えた老舗の名門ワイナリー「テヌータ・カレッタ」のもの。1467年に創立したこのワイナリーは、ユネスコ世界遺産に指定された銘醸地に自社畑を保有しており、すべてのワインが自社畑で栽培されたぶどうのみで製造されているそうです。
言葉で聞くぶんには「ふ〜ん」という感じでしたが、ワインを飲んでみて、その”すごさ”がわかりました。
【ペアリング①】冷たい前菜とアルネイス

お料理の1品目は、冷たい前菜「ツブ貝とジャガイモのサラダ仕立て」です。サッパリとした口当たりで、ツブ貝の食感も楽しめる上品な前菜です。

ペアリングしたワインは、「カレッタ カイエガ ロエロ アルネイス DOCG」。名門ワイナリー「テヌータ・カレッタ」の代表的な白ワインなのだそう。商品名の末尾に付いている「DOCG」はワインの格付けランクを表し、DOCGは最高ランク。その後、DOC 、IGT、その他と続きます。
以下に特徴を記しておきます。
【種別】白・やや辛口
【アルコール度数】13.5%
【ぶどう品種】アルネイス種100%
洋梨やバラの香り、バランスと複雑味を兼ね備える味わいを持ち、食前、食中、食後いつでも楽しめる優秀なワインです。飲んでみるとほど良い酸味のあるフルーティーな味わいで、個人的にとっても好みでした! お肉も魚もなんでも合わせられるので、迷ったら選んでみてください。
【ペアリング②】温かい前菜とガヴィ

お料理の2品目は、温かい前菜「イサキのフリット パセリのソース」。華やかな見た目が食欲をそそります。サクッとしたイサキの食感と淡白な味はパセリソースとの相性バッチリ、かつ上に添えられたナスも絶妙な味付けでおいしい。
これは、食材を知り尽くしたプロにしか出せない味。素人ながらに、そんなふうに感じました。

ペアリングしたワインは、「カレッタ モンセリート ガヴィ デル コムーネ ディ ガヴィ DOCG 」。長くて覚えられない(笑)。ガヴィだけ覚えておけば良さそうです。特徴は以下のとおり。
【種別】白・辛口
【アルコール度数】12 .5%
【ぶどう品種】コルテーゼ種100%
芳香で爽やかな酸味を持った親しみやすいワイン、との説明がありましたが、酸味の印象が強いです。1杯目のアルネイスに比べるとフルーティー感は控えめで、華やかな印象は欠けますが、お料理を引き立ててくれる気がしました。
【ペアリング③】パスタとネッビオーロ

お料理3品目は、「自家製ビーゴリ 夏鹿肉のラグーソース ダッテリーノトマト、バジリコ和え」。待ってました♡ 出てきた瞬間に「わ〜」と歓声があがっていました。
舌のうえでホロホロとほどける柔らかい鹿肉と繊細な味付けのソース、そして風味の強いダッテリーノトマトとバジリコの組み合わせも文句なしにおいしい! 人生で初めて、こんなにおいしい鹿肉を食べました。

ペアリングしたワインは、「カレッタ ポーディオ ポディウム セッラエ ランゲ DOC ネッビオーロ」。またしても長い(笑)。特徴は以下のとおりです。
【種別】赤・ミディアムボディ
【アルコール度数】14%
【ぶどう品種】ネッビオーロ種85%、バルベーラ種15%
ドライフラワー、果実やバラの香りが楽しめる華やかなワイン。そして、柔らかいタンニンが心地よく口の中に広がります。正直、赤ワインはあまり得意じゃないのですが、これはおいしい! 鹿肉のパスタとの相性も最高です。
ワインは温度が重要で、このネッビオーロの場合、常温より少し冷やしたぐらいがちょうどいいそう。実際、常温のものと冷やしたものを飲み比べたら、味わいが異なっていました。
【ペアリング④】メインディッシュとバローロ

お料理4品目のメインディッシュは、「山形県産 千日和牛外腿肉のロースト バローロと生粒コショウのソース、野菜添え」。見た目から伝わってくる高級感。お肉の色が最高にキレイです。
口に入れると、柔らかい和牛の食感がたまりません。生粒コショウは絶妙なスパイシー加減。すべてが繊細で、ワインとの相性を確かめながら、一口一口ゆっくりと味わいました。

ペアリングしたワインは、「カレッタ カッシーナ フェッレーロ バローロ DOCG」。カレッタ社の代表作とも言える王道の赤ワインです。
木樽熟成24ヶ月、瓶熟成9ヶ月という長い期間をかけてつくられるバローロは、バラ、リコリス、カカオの香りと、伝統的手法により醸成された厚みのある味わいが特徴です。色はオレンジよりの赤色をしています。特徴は以下のとおり。
【種別】赤・フルボディ
【アルコール度数】14%
【ぶどう品種】ネッビオーロ種100%
ワイン初心者の私の感想は、「人生一おいしい赤ワインに出会った!」でした。深みのある上品な味わいは、お肉のおいしさを引き立ててくれる最高のペアリング。価格帯は6,000円前後と、これまで飲んだワインに比べて倍以上のお値段ですが、それだけの価値がある一品だと思います。
【ペアリング⑤】デザートとダスティ

シメのデザートは「メロンの冷たいスープ ラムレーズンの入ったカッサータとカモミールのグラニテ添え」。芸術作品のように美しい、シェフの愛を感じる一品です。
久しぶりに、こんなに繊細で手の込んだデザートをいただきました。濃厚なリコッタチーズとラムレーズン、メロンの風味がギュッと凝縮されたスープ、清涼感のあるカモミールのグラニテは、最上級のバランス。
そのままいただいても十分おいしいのですが、ペアリングしたワインと合わせると、より複雑で繊細な味わいに変化した気がしました。

ペアリングしたワインは、「カレッタ モスカート ダスティ DOCG」。完熟したぶどうの香りが詰まった、甘口微発泡の低アルコールワインです。特徴は以下のとおり。
【種別】白・泡・甘口
【アルコール度数】5.5%
【ぶどう品種】モスカート種100%
レモンやセージのような爽やかな香りと爽やかな甘さで、虜になってしまいそうなワインです。「甘いワインと甘いデザートの組み合わせは甘すぎるのでは?」と想像されるかもしれませんが、どちらも上品な甘さなので、ちょうどいいバランスになるんです。
ワインが苦手な人でも飲みやすく、ワインだけでもデザートになりそうな気がしました。価格帯は2,000円ほどと、もっともお手軽です。女性のいるパーティーなどに差し入れると、きっと喜んでもらえるはず。

第1回目からボリュームたっぷりの内容で大満足! それぞれのワインは、おかわりOKで飲み比べもできるし、1回目からかなり酔っ払ってしまいました(笑)。参加者のみなさんとのおしゃべりもはずみ、心から幸せな時間でした。
ワインの奥深さも少しだけ知ることができました。次回も楽しみです!
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