旅ライターとして東京で生きる小林香織です。
私は今、「おいしいアカデミー 世界の料理とワインコース」でワインと料理のペアリングについて、学んでいます。第4回目となる今回は、「ワインが楽しくなる!ワインの基礎知識」。
ワインのおいしさを決める「テロワール」の知識や、産地によって異なる味の違いを舌で実感することができました。その授業の様子をレポートします!
講師は株式会社ヴァンパッシオン・清水健史さん

フランスを中心としたファインワインの輸入卸業を営む株式会社ヴァンパッシオン。年間約60万本のワインを販売しているそうです。
今回、講師として登壇されたのは、ヴァンパッシオンでブルゴーニュ&シャンパーニュ ブランドマネージャーを務める清水健史さん。
星の数ほどのワインを試飲し、その良し悪しを判断してきた経験から、おいしいワインの見分け方や作り方など、基礎知識を丁寧に教えてくれました。
これだけ覚えておこう!ワインの基礎知識

ワインの種類は非常にシンプルで、以下の4種類です。
①白ワイン
②赤ワイン
③ロゼワイン
④発泡ワイン
厳密に言えば、もっと細かい種類があるようですが、まずはこれだけ覚えておきましょう。
白ワインに使われるぶどうは、もちろん【白ぶどう】。主に使われるのは以下の3種類で、この3種で全体の80%ほどなんだとか。
●リースリング・・・ドイツワインの代表品種。美しい酸味を持ち、味わいはごく辛口から甘口まで多彩。
●ソーヴィニヨン・ブラン・・・フランス・ロワール地方の代表品種。青草を思わせる独特な香り。キレのある酸味を持ち、味わいは辛口。
●シャルドネ・・・フランス・ブルゴーニュの代表品種。世界中で栽培されており、辛口白ワインでもっとも高い人気。
一方、赤ワインに使用されるのは【黒ぶどう】です。こちらもメジャー品種は以下の3つ。
●ピノ・ノワール・・・フランス・ブルゴーニュの代表品種。若いときはフルーティー、熟成するとアロマティック。栽培が難しい憧れの品種。
●カベルネ・ソーヴィニヨン・・・フランス・ボルドー地方の代表品種。味わいは力強く、タンニンが強い。世界中でいちばん人気の品種。
●シラー/シラーズ・・・フランス・ローヌ地方の代表品種。スパイシーで濃厚なワインとなる。
この3種にメルローを足すと、赤ワイン全体の80%になるそう。
ワインの味の決め手「テロワール」とは?

一般的においしいと言われるワインは、以下の4つの要素で決まるとのこと。
①酸味
②果実味(甘み)
③渋味
④凝縮感
酸味、果実味、渋味までは素人の舌でもわかりそうですが、凝縮感はどのように判断するのかが難しい気がしました。
そして、これまでの講座では出てこなかった新しい単語「テロワール」が、4回目にして初登場。
テロワールとは、ぶどう畑の土地の性質を表します。ワインの味を決める4つの要素は、すべてこのテロワールに影響されるそう。良いぶどうは良い土地から生まれるということですね。
では、おいしいワインを作るための「良いテロワール」とは?
●寒暖差がある・・・寒さは酸味を生み、温かさは果実味を生み出します。
●日照がある・・・日当たりの良い場所では、ぶどうが皮や種まで熟すため、渋味が生まれます。
●土壌が痩せている・・・意外にも栄養分が少ない痩せた土地のほうが、おいしいぶどうができるそう。養分を求めて根が深くまで伸びるので、いろいろな地層の影響を受け、その結果、ワインに凝縮感・複雑味が生まれるという原理です。
●水はけの良い土地・・・具体的には石や砂などが多い土壌、急斜面を指します。上記同様、ぶどうの根が水を求めて地層の深くまで伸びるので、凝縮感・複雑味が引き立つのだそう。
イタリアのトスカーナ地方や、フランスのブルゴーニュ地方は有名なワインの産地ですよね。日本だと山梨県は条件が良いそうですよ。
ワインのテイスティングで味の違いを確かめる

これらの説明を一通り聞いたところで、ワインのブラインドテイスティングを実施。それぞれの名称は伏せ2つの土地の名前だけを聞き、味の特徴だけで、どちらがどちらかを見分けるという講座です。
<飲み比べ①>
・ブルゴーニュ・シャルドネ「セガン・マニュエル」
産地:フランス・ブルゴーニュ地方
・ヴィラ・ソライス「サンターディ」
産地:イタリア・サルディーニャ州
セガン・マニュエル⇒フレッシュで酸味が目立つ、サンターディ⇒果実味が充実した味わい。両者の味の特徴がハッキリしているので、前者は涼しい気候、後者は温かい気候のワインだと、すぐにわかりました。
<飲み比べ②>
・コート・デュ・ローヌ「シャトー・ジゴニャン」
産地:フランス・ローヌ地方
・マルサネ・ルージュ「ドメーヌ・フィリップ・ナデフ」
産地:フランス・ブルゴーニュ地方
シャトー・ジゴニャン⇒果実味を感じる華やかな味わい、ドメーヌ・フィリップ・ナデフ⇒果実味はあるものの、シャトー・ジゴニャンとは系統が違い、酸味が主張しています。こちらも受講生全員が味の違いを理解して、土地を当てていました。
<飲み比べ③>
・サン・トーバン・プルミエ・クリュ・ミュルジェ・デ・ダン・ド・シアン・ブラン「ドメーヌ・ジル・ブートン」
産地:フランス・ブルゴーニュ地方
・サン・トーバン・プルミエ・クリュ・アン・レミリー「ドメーヌ・ジル・ブートン」
産地:フランス・ブルゴーニュ地方
最後は難問。どちらもフランス・ブルゴーニュ地方のワインなので、味の違いはわかるのですが、絶妙な違いなので判別がとてもむずかしい。先生に「ミネラル感の違いを感じてみましょう」と言われ、「前者のほうがちょっと強い気がしたかな?」と思ったら、たまたま正解していました。

参加者たちも、さすがに3問目は外している人が多数いました。3問目のワインを飲み比べて味の違いをしっかり説明できたら、けっこうなワイン通だと思います。
今回もワインの奥深さを知り、ワインにまた一歩近づけた気がしました。まだまだワイン通への道のりは遠いけれど、いくつかお気に入りのワインも見つけました♡
最後までしっかり通って学べば、接待やホームパーティーで、料理に合わせてワインをセレクトできるぐらいの知識が身につくと思います。
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