「文才がなくてもライター1本で食べていけますか?」の私なりの答え




かおり
旅と仕事を両立しながら生きている「恋する旅ライターかおり」です

 

12月頭に日本に帰ってきて、もうすぐ1カ月。ちょっと東京にいるのが息苦しくなってきた……。都会って目まぐるしくて脳ミソが疲れる。いま一番の癒し・甥っ子ちゃんに会いたいぃ(泣)。

さて、2016年頭にフリーライターとして独立して、ちょうど2年が経過しました。そこで、今日はよく聞かれる質問「文才がなくてもライター1本で食べていけますか?」について、答えを考えてみたいと思います。あくまで一個人の意見なので、「ふーん」って読んでいただけると。

ライターに文才はなくてもいい。でも……

いきなり本題の答えですが、「文才がなくてもライターにはなれます」

なぜって? 私が現状、ライター1本でやっていけているからです。私は表現力に長けているわけでも、カッコいい言葉を散りばめた芸術的な文章を書けるわけでもありません。

人の心にグサっと刺さるエモい文章も書けない。(ときどき取材記事に感動したっていうコメントをいただくぐらい)

ただ、正しい日本語を使って読みやすい文章を書くことはできます。(人間だから時にまちがえることもあるけれど、それが極めて少ない)

もうちょっと突っ込んで言うと、なるべく一文一文を短くして文章をスッキリと整えて、読む側にストレスを感じさせないリズミカルな文章、言いたいことがスムーズに伝わるわかりやすい文章は書けます。これは、いわゆる「文章力」というスキルかもしれません。

ライターと名乗るには、この文章力のベースは必要だと思います。そこに自分らしさというスパイスを加えて、「自分にしか書けない文章スタイル」を生み出し、その価値が認められると、フォロワーが増えたりコラムの仕事が舞い込んだりするんじゃないでしょうか。

その先には作詞家や作家なんて道も見えてきそう。カツセマサヒコさんとかさえりさんタイプ。おわかりかと思いますが、楽な道ではないはず。

一方で、語彙力や構成力を磨き、誰をも納得させるような論理的な文章を書けるようになれば、ビジネス・医療系やニュース記事、雑誌、ブックライターのお仕事が増えそうな気がします。

ちなみに、語彙力は早く文章を書くためにも超重要。初期の頃は「類語」を検索しまくってインプットを増やしていました。たとえば、「すごい」という一言でも「すさまじい」や「絶大」など、いくつもの言い回しがあって、どの言葉が一番文章になじむか、読んだ人に熱が伝わるかなどなど、文章をこねくり回して試行錯誤するわけです。

私はこれを毎日やりまくったから、ある程度の語彙力が身に付いて、よりスムーズに書けるようになった実感があります。



ライターに絶対的に必要な2つの力

じゃあ、「一定以上の文章力さえあればライターとしてやっていけるのか?」と言えば、そうではありません。

正直、文章力よりも必要なスキルがあります。それが「リサーチ(取材)能力」と「取捨選択の能力」です。

とある著名なライターさんが言われていたのですが、記事を書くときに一番大事なものは「情報」だと。言われてみれば、少しばかり稚拙な文章でも情報に厚みがあれば、たぶん読んだ人は価値を感じると思います。

逆に表現はやたらと凝って書かれていても情報がスカスカだったら、その文章には誰も見向きもしないでしょう。ごくまれに内容極薄なのに、引き込まれる記事もありますけどね(笑)。

記事にとって情報は「命」であり、この命を集めることもライターの仕事です。なんか、命って書くとやたらと重く感じますね(汗)。でも実際そうなんです。

集めた情報はただそのまま並べればいいわけではなく、不要な部分をカットして、できるだけ最後までしっかり読んでもらえるように構成を工夫しなければなりません。WEB記事だと、12,000字のテープ起こしを3,000字まで凝縮したり(ただし内容によって振れ幅あり)。

選りすぐりの食材を集めて、客の舌をうならせるコース料理に変身させるシェフみたいな。見栄えも気にするし、タイトルにもひねりがないとダメだし。書き終えた文章は推敲して納得できるクオリティまで引き上げます。これは料理で言う「味見」みたいなもの。

ただ、ブログはそこまで重く捉えないものもあります。「この文章わたし好き!」って思えたら良しとしちゃうこともある。

ライターにあって損しないスキル

こんな眺めのカフェが東京にもほしい……

最後に、あって損しないスキルはいっぱいあるんですが、「コミュニケーション能力」「デザイン能力」「撮影能力」「英語力」などなど。

専門知識があったら、その分野の記事を書くことができるし、わりとどんなスキルも活かしやすい仕事だと思います。

個人的に私が強化したいのは、「英語力」と「ITスキル」。

英語はセブ島留学を経て、やっと学習のスタートラインに立てた感じです。いま、コーチにカリキュラムを組んでもらい、毎日1〜2時間ペースで勉強してます。私の英語力が伸びないとコーチに申し訳ないので、がんばります。3月11日のTOEICはすでに申し込みました。

英語を使って、外国人にインタビューがしたいんです。もっと言えば、英語で記事も書きたい。これまでは「英語を操るなんて私には到底無理」と未来の選択肢に入れていなかったけど、留学に行って見える未来像が変わりました。

ITスキルはブログを始めてから本格的に必要性を感じ、今はとある解析ツールを無料で使っています。グーグルアナリティクスと連携するだけですぐ使える「ANATOMY(アナトミー)」。

検索されているキーワードやPV数、流入数、直帰率、離脱率の変動など、無料なのにグーグルアナリティクスより断然見やすいのがメリット!

「解析とか面倒」って思っている方は一度試してみるといいかもしれません。

 

では、今日のところはこのへんで!

ライターって決して楽な仕事ではないですが、言葉の奥深さにのめり込んだり、自分らしい働き方の追求ができたり、私はライターという道に出会えたことに心から喜びを感じています。




ABOUTこの記事をかいた人

【フリーライター/北欧イノベーション研究家】1981年、埼玉県生まれ。「自由なライフスタイル」に憧れて、2016年にOLからフリーライターへ。【イノベーション、キャリア、海外文化】などの記事を執筆。2020年に拠点を北欧に移し、デンマークに6ヵ月、フィンランド・ヘルシンキに約1年長期滞在。現地スタートアップやカンファレンスを多数取材しました。2022年3月より東京拠点に戻しつつ、北欧イノベーションの研究を継続しています。