【ライターの報酬が低い問題】適正な文字単価について考えてみた




かおり
現在、タイ・バンコクでノマドワーカーをしている「書けるWEBデザイナー」の小林香織です

 

私は、ライターとしての経験が4年4ヵ月ほどあり、仕事の9割ほどはWEB記事の執筆です。ここ数年の間にWEB記事の単価が上がってきたと言われていますが、一方でひどい単価の仕事もまだまだ残っています。そこで、ライターの報酬・適正価格について私が感じることをまとめたいと思います。

結論を先に言ってしまうと、「プロライターのみなさんは、安い単価で仕事を請けちゃダメ!」ってこと。安い単価で請けてしまうライターさんがいると、企業は一向に報酬を上げようとしないからです。

ライターにとって明るい未来を目指すために、駆け出しライターさんにもライターに仕事を依頼する企業さまにも「適正価格」を知ってほしいと思っています。

プロライターなら文字単価「4円以上」を目指そう

一概には言えませんが、プロのライターさんは文字単価「4円以上」はキープしていると思います。たとえば、3,000字の記事を書いたら、12,000円以上。これでも安いぐらいです。

クラウドソーシング経由でライター案件を受注しているライターさんは、文字単価1〜2円が当たり前だと思っていませんか? もちろん、「まだライターになったばかりです」という方は仕方ないと思います。

私も1記事2,000円からキャリアをスタートさせたので、当時の文字単価は1〜1.5円でした。でも、3ヶ月後にはすぐに3円程度にアップさせました。インタビュー記事の執筆を始めたからです。ネットや書籍等でのリサーチ以外にインタビューという実働が増えるので当たり前なんですが、文字単価が上がると自信が付くので、わりと「強気の交渉」ができるようになるんですよね。

自分が執筆やその準備にかける時間を計ってみて、時間給に置き換えてみるとわかりやすいと思います。編集さんや取材相手とのやり取りも発生するし、リサーチや写真選定にかける時間もある。ネタ出しもやるなら、もちろんそれも含め。

文章はわりと誰でも書けてしまうものなので、それゆえ「単価が低くてもしょうがない」と思っている方がいるかもしれませんが、ターゲットに向けて必要な内容を盛り込み、媒体にふさわしい文章テイストで執筆するのは誰にでもできることじゃないはず。

ある程度の経験値を身につけたら、プロの意識を持って単価交渉を行うべきだと私は思っています。

体験談を書く場合でも安請け合いは厳禁

自分が体験したことを書く場合、わりとスラスラ文章が書けますよね。だから「それなら時間もかからないし安くてもいいか〜」と思ってしまう方がいるかもしれません。

でも、体験ほど貴重な財産はないと思うんです。その体験をするまでに、どれほどの費用や時間を要したかをよくよく考えて、適正価格を判断してみてください。

誰でもすぐにできる経験なら別ですが、お金のかかる海外旅行やいつも混んでいる人気店での食事、時間と資金を投資して身につけた知識などは、特別な体験であり財産なので、適正価格で請けてほしいなと願います。

ちょっと視点を変えた考え方だと、自分の人生を切り売りする場合、それが「良い宣伝になる」場合は多少安く請けてもいいと思うのですが、そうじゃない場合(たとえば自分の恋愛経験を赤裸々にさらすとか)は、それだけの価値を踏まえた値段設定をしてほしいです。

プラスαの作業が発生する場合は交渉しよう

ライターは、取材して書く以外に「企画出し」「アポ取り」「写真撮影」「WordPressへの流し込み」など、プラスαで作業が発生する場合があります。

なかでも、しっかりと交渉したほうがいいのは「企画出し」と「写真撮影」かなと思います。採用可否に関わらず、企画費を支払ってくれるクライアントさんもいますが、「企画が通らないと1円も発生しない」場合もあります。

それでも、どうしても書きたい媒体の場合はいいのですが、そうじゃない場合は交渉しましょう。

写真撮影に関しては、「クオリティは重視しないので写真撮影もお願いします」とサラッと言われる場合があります。スマホでちゃちゃっと撮って色味修正もせず、そのまま載せるぐらいならいいですが、人物を撮影する場合、スマホでの撮影は「基本的にタブー」とされています。

画質の問題というより、「スマホで撮影されると取材相手の心象が良くないから」という理由です。だから、インタビュー取材ではあえて重い一眼レフを持っていって撮影します。実際、画質もキレイになるんですけどね。

写真撮影も任された場合、撮影、写真選定、レタッチと作業が一気に増えるので、その分の作業代を交渉してほしいところ。もし、1時間のインタビューで4〜5カット撮影する場合、プロカメラマンさんなら安くても2万円〜ぐらいが相場じゃないかなと思うので、プロのクオリティまでいかなくとも5,000円〜1万円は上乗せしてもいいと思ってます。

クライアントさんに予算がないなら、それなりの作業に留めたほうが良いと思います。今後の付き合いを考えて、「ここはギブしよう」と思えるならいいのですが、その選択が他のライターさんを苦しめるかもしれないということだけ、頭の片隅に入れておいていただけると嬉しいです。

報酬を上乗せせずに対応したとしても、クライアントさんに「本来は別料金が発生する仕事」だと理解してもらうのが良いのかなと。「フリーランスはいくらでもいるから安く使い倒そう」みたいな発想のクライアントもいるので、私たちは一人ひとりが適正価格を知って交渉すべきだと思います。

ライターは価値ある職業。地位を上げていこう

副業解禁などの流れによって、ここ数年でライターを始める人が一気に増えた気がしています。「まだスキル・経験不足だから、何かしらのWEBメディアでの執筆経験がほしい」そういった方が格安で仕事を請けるのは大いにアリだと思います。

ただ、ある程度のスキルがあるのに「いつ仕事がなくなるかわからないし」みたいなネガティブな思いから、安請け合いするのは全フリーライターにとって、良くない選択だという気がしてなりません。

「でも、高い報酬の仕事なんてどこにあるの!?」という方には、次の2つの方法をオススメします。

1、クライアントと業務委託契約を結ぶ
2、編集プロダクションと業務委託契約を結ぶ

クライアントというのは、予算を持っている企業です。たとえば、ANAさんの旅メディアだったら、当然出資しているのはANAさんなので出資元のANAさんと直接、業務委託契約を結ぶのが一番。これが一番ギャラが高いはず。

とはいえ、大手企業が一フリーランスと契約を結ぶのはごくまれなので、フリーランスでも戦いやすい中小企業に打診するか、知人の紹介を通じてクライアントとつながるのが良い方法かと思います。

それが難しければ、大手企業を顧客に持つ「編集プロダクション」と業務委託契約を結ぶのがオススメ。私も複数の編集プロダクション(略して編プロ)さんと業務委託契約を結んでいます。そうすることで、誰もが知る大手企業さんの仕事を請けることが可能になります。

ライターになったばかりのうちはクラウドソーシングサービスを使うのが良いかもしれませんが、実績がついたら編集プロダクションに働きかけて、業務委託契約を結べるように動くのが良いと思います。

編プロさんは、常に優秀なライターさんを求めていますから!

ライターってどこまでできるようになったら一人前なのかが、わかりづらい職業ですよね。バズったから良いというワケでもなく(毎回ヒット記事を飛ばせるようになったら、それはすごいことですが)、難しい文章を書けるのが良いワケでもない(難しいことをやさしく書くスキルは重宝される)。

編集さんの意見を素直に聞きながら、たくさんの文章に触れるなかで、徐々にプロの物書きとしてのスキルが養われていくのだと思います。

わかりやすいのは、何かしらの専門分野を身につけること。「スイーツなら相当くわしい」「沖縄事情には精通している」「エンジニアの働き方や技術にくわしい」などなど。「この記事ならあの人だな」と思い出してもらえるようになれば、ライターとしての価値は自ずと上がるはず。

私みたいな雑食系ライターになると、「書き分けが得意」とか言ってもイマイチ印象に残りづらいのが正直なところです。なので、ライター一本でやっていきたい方は、「得意分野」を作る努力をするのが早道かもしれません。

とにかく、ライターとして生きている同志のみなさん、無理して安請け合いをせずに、常に「この報酬は適正価格かどうか」を念頭に置き、角が立たない交渉術を身につけるのが得策です。コンテンツ制作に携わるすべての人が一致団結して、ライターの価値を高めていけたら嬉しいです。